クレヨン王国の部屋


「クレヨン王国シリーズ」は、1964年に発表された「クレヨン王国の十二ヶ月」を皮切りに、ほぼ年一冊ペースで現在に至るまで実に約40巻が出版され、今もまだ出版され続けている、児童文学の中では稀に見る大シリーズです。
36歳の時から36年に渡ってシリーズを続けてきた福永令三氏の気の遠くなるような根気強さにはただただ感心するしかありません。

このシリーズは1997年に「夢のクレヨン王国」としてアニメ化され、アニメによって「クレヨン王国」を知った人も多くいるはずですが、(かく言う私もその一人ですが)アニメの方は比較的低年齢の子供にターゲットを絞ったために大幅な設定変更が行われ、また非常にエンターテイメント性を重視して重いテーマを伴うエピソードが除外され、原作とはイメージの大きく異なる作品となりました。

このページでは、少しでも原作のイメージを感じていただけるように私の読んだ原作のエピソードを紹介していきます。

*あらすじは、裏表紙に書かれたものをそのまま引用しています。


◆作品紹介◆

クレヨン王国の12か月 クレヨン王国のパトロール隊長
クレヨン王国の花ウサギ クレヨン王国いちご村
クレヨン王国月のたまご クレヨン王国新12か月の旅
クレヨン王国王さまのへんな足 クレヨン王国シルバー王妃花の旅
クレヨン王国とんでもない虹 クレヨン王国12妖怪の結婚式
クレヨン王国カメレオン別荘村 クレヨン王国茶色の学校
クレヨン王国タンポポ平17橋 クレヨン王国三日月のルンルン
クレヨン王国しっぽ売りの妖精

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クレヨン王国の十二か月

大晦日の夜、ユカが目を覚ますと、12本のクレヨンたちが会議をひらいていた。クレヨン王国の王さまが、王妃の悪い癖が直らないうちは帰らない、と言って行方を眩ましたのだ。驚いた王妃は、ユカと一緒に王様を捜し求めて不思議なたびに出る。

クレヨン王国シリーズの最初の作品にしてアニメの原作となったエピソードの一つ。
アニメでは12歳の少女として描かれているシルバー王女が、20歳の人妻シルバー王妃として登場するので、アニメから入った人はまず度肝を抜かれるだろう。
しかし、シルバー王妃の暴れっぷりはある意味アニメを超えており、堅苦しい道徳を無視したひたすら破茶滅茶な世界が展開されている。

 

クレヨン王国のパトロール隊長

5年生のノブオは、右田先生にしかられ、山奥へ駆け出しました。道に迷って、林の中の一軒屋を訪ねると、洋服を着たフクロウが……。いつの間にか、クレヨン王国へ迷い込んでいたのです。ノブオは、王国のパトロール隊長として、冒険の旅に出ます。楽しい読み物に子供の主張を織り交ぜた「クレヨン王国」シリーズ2冊目。

クレヨン王国シリーズ2冊目は1冊目とはうって変わって重い内容である。
ノブオの不注意で事故に遭い、目が見えなくなった妹。どうしても上手く行かない教師との関係。この巻から、心に傷を負った子供がクレヨン王国に迷い込むという一つのパターンが出来上がる。
クレヨン王国でノブオは水の精と火の精の血で血を洗う壮絶な戦争に巻き込まれ、彼が密かに想いを寄せる水の精のスージーもまた戦争に参加して重傷を負う。
戦いを治めるため、ノブオはついに今までそれを使って生き残れたパトロール隊長は一人もいないという、水の精フローラーを呼び出す玉を使う事を決意し…。

 

クレヨン王国の花ウサギ

ウサギのロペは、ちほと健治兄弟の大の仲良し。遠足の日、行方不明になった健治たちを探しに山へ行ったちほは、ロペの案内でクレヨン王国へ。そこで、悪魔のアオザメオニと対決することになったが、伝説の花ウサギの住むヤマボウシの木を見つけなければ勝ち目はない……。自然保護の願いを託した「クレヨン王国シリーズ」の第二作。

刊行された順番の関係で第二作と書かれているが、「クレヨン王国の花ウサギ」は第三作である。環境破壊を真正面から描いた、ある意味「クレヨン王国のパトロール隊長」よりも重い内容の作品で、アオザメオニによって動物に変えられた人々が動物の視点から環境破壊の惨さを体験する、その描写があまりにも真に迫っていて恐ろしい。
卵を産むべき場所を目指して自動車専用道路を横切るヒキガエルの大群の一匹となった校長先生が、次々に仲間を轢き殺されながら地獄の行軍を続けてやっとの思いで水場まで辿り着き、そして「つくづく、自分がカエルであってよかった、今度、何かに生まれ変わる時も、絶対ヒキガエルになろう」と思う、この動物心理の描写は並の人間には絶対に真似のできない芸当だろう。

 

クレヨン王国いちご村

盲腸の手術をした5年生の正君にお婆ちゃんが12色のクレヨンをくれました。そのクレヨンの一本一本が、正君の眠りの中に順々に現れて、紫はスミレの花、みどりはヘチマ、黄色はエンゼルの話……12のお話を始めました。楽しくて、少し心が痛む「クレヨン王国」シリーズ4作目。

クレヨンの色に関係した12の短編をまとめるというパターンはこの後も度々登場する「クレヨン王国」シリーズの黄金パターンの一つである。
子供達に自然にある色々なものを良く見て、よく観察して、好きになって欲しい。そんな願いが、これらの小さな物語の中に込められている。

 

クレヨン王国月のたまごPART1

6年生のまゆみは、見知らぬ青年三郎の運転するトラックでいつの間にかクレヨン王国に入っていきます。そこで、まゆみは、三郎、ブタのストンストン、ニワトリのアラエッサとともに、「月のたまご」を救出することに……。それは、危険がいっぱいの未知への愛と冒険の旅だったのです。クレヨン王国シリーズ8作目。

「月のたまご」は、この後part8まで続く事になる大長編である。
人類の心に平和をもたらすはずの第二の月。その月のたまごを守りながら地下深くを運んでいた黒髪山の姫は、丁度広島の下を通過した時に原子爆弾によって傷を負い、動けなくなってしまう。月のたまごを救出するためにまゆみ達が潜った地下は、人間の憎しみのエキスが滴り、危険な生き物達を生み出していく恐ろしい世界だった。
戦争、特に人の憎しみをテーマとし、王家を補佐するために通常の3倍の寿命を持って生まれてきた王子サード・プリンスとまゆみとの愛を絡めて描かれる物語はまるで映画のよう。
福永令三氏は、この「月のたまご」を転機としてそれ以降作風を変え、ひたすら楽しい作品を目指すようになる。

クレヨン王国月のたまごPART2

「月のたまご」の救出には成功したが、帰る道を断たれた三郎。「もう一度まゆみに会いたい……。」と願う愛の強さが三郎に脱出する勇気を与えた。また、クレヨン王国での記憶を失ったまま中学生になったまゆみは、大切なものを無くしたような、虚ろな日々を送っていた……。愛と冒険の大ロマン「月のたまご」part1に続く待望の第2話。

「月のたまご」第2話以降のテーマはズバリ「愛」である。まゆみは第1話から成長して更に完璧なヒロインとなり、月のたまごを守るために自ら憎しみのエキスを飲み続た挙句いつしか憎しみに犯されてしまった女ダマーニナがまゆみのライバルとして立ちはだかる。あまりに王道な展開とまゆみが歌う自作のポエムで少女趣味大爆発といった感じだが、恐らくは第1話を読んだ少女達の「まゆみと三郎をもう一度会わせて!」という強い願いに応えて書かれたのであろう事を思えば、それも無理のない事か。
しかし、名作である第1話のイメージをそのまま持って読んでしまうと脱力する事請けあいである。

クレヨン王国月のたまごPART3

「月のたまご」を助けた三郎は、地底を流離ううちに、かつて「月のたまご」の乳母だったダマーニナに会った。火山の爆発でクレヨン王国へ生還できた三郎のまゆみを思う愛の強さが、まゆみを王国へ呼び戻し、やっと再会した二人……。だが、ダマーニナの憎しみの青い水を飲んだ三郎は……。ファン待望の愛と冒険の大ロマンのPART3。

ダマーニナの台頭とともにクレヨン王国に咲き出した、憎しみのエキスを含んだ青い花。魔女の出現を暗示する海の小人の予言。魔女としての疑いをかけられるまゆみ。
…う〜ん、愛と冒険の大ロマン。

クレヨン王国月のたまごPART4

やっと再会できた三郎とまゆみ。三郎が、「月のたまご」を救出している間に、王国ではずるがしこいダガーの勢力が大きくなっていた。その状況を探るため、単身旅立ったまゆみ。指を襲った激痛で、まゆみの危機を直感した三郎は、アラエッサとストンストンを連れ、王国とまゆみを救うために立ち上がった。愛と冒険の大ロマンPART4。

ダガーの登場で物語は一気に政治色を強める。ダガーによるカメレオン首相暗殺計画と、それを見破り、命を拾いながらもどうする事もできないカメレオン。シルバー王妃とダガーとの水面下の駆け引き。本当に子供の本なのか?これは。

クレヨン王国月のたまごPART5

王国の平和のため、立ち上がった三郎とまゆみ。三郎は、ヘリコプターでカメレオンを救出したものの、見知らぬ土地に不時着。一方、まゆみは、助けてくれた白馬のピーターをつれて、町へ戻る途中、尼僧のオルガと道連れに。三郎が生きている事を悟ったオルガは、クレヨーン市の時計台にあがり、大パフォーマンスを……。PART5。

サードプリンスが生きているかも知れない事に、上層部が気付き始める。
ダガー対王室の駆け引きも激しさを増し、これにダマーニナの思惑が絡んで複雑な力学が物語を支配していく。…ってこれは本当に子供の本なのか?

クレヨン王国月のたまごPART6

地球に平和をもたらす「月のたまご」の危機を救った三郎とまゆみ。白馬のピーターの案内で、三郎は、カメレオンと共に海の小人の国へ。まゆみは、三郎やアラエッサを探して一人旅……。三郎という核をなくし、ずる賢いダガーの勢力が強くなったクレヨン王国に、奇病「青ころり」が広がって……。真の愛とはなにかを問う、PART6。

憎しみのエキスに汚染された土地に住む人々の中から奇病が発生し出す。
「青ころり」…突然顔が草色に変わり、大暴れした挙句ぽっくり死んでしまうという恐ろしい病。やがて奇病の発生した区域は封鎖され、住人は誰一人として外に出られなくなるが、まゆみはボランティアの看護婦として自らその中に侵入していく。
次々に患者が死んでいく地獄のような状態の中でまゆみは献身的に振る舞い、ついに「青ころり」の治療に成功する。

クレヨン王国月のたまごPART7

「月のたまご探検隊」の隊員は、再会したのも束の間、三郎は海の小人の世界へ。まゆみはダマーニナに捕われ、鏡の城の中。アラエッサ、ストンストンは2人を探して旅の空。大流行の奇病「青ころり」の原因を鏡の城に住む魔女の仕業だとして、王国乗っ取りを企むダガーは命令した。「鏡の森を焼き払え!」王国は危機を脱せるか?

これ以上青ころりが広がるのを防ぐためにダガーが出した結論は、封鎖区域を包囲して火をつけ、鏡の森に住む魔女と感染地域の住人を一網打尽にすることだった。
直前に「青ころり」治療薬の生産に成功するも、その知らせの到着を故意に遅らせ、ダガーは作戦を決行する!

クレヨン王国月のたまごPART8

「月のたまご探検隊」の三郎は海の小人の国へ。まゆみはダマーニナに捕われて鏡の城に。アラエッサ、ストンストン、キラップ女史は、それぞれの思いを胸に鏡の城へ。王国の乗っ取りを企むダガーは、「鏡の森を焼き払え!」と命令した。王国の運命を変える午前零時が刻々と……。愛と冒険の大ロマン感動の完結編。

マート・ブランカ大尉は走る、馬を駆る!伝書バトでシルバー王妃に直接攻撃中止命令を要請し、自らは鏡の森へ向かう。今まさに爆撃が始まろうとしている鏡の城に集うメインキャラクターたち。果たして、攻撃中止命令は間に合うのか?サード・プリンスとまゆみの恋の行方は?そしてダマーニナの運命は!?
福永令三氏、本当にお疲れ様でした。

 

クレヨン王国新十二か月の旅

悪い癖を直したシルバー王妃は、今では申し分のない王妃。飲む人の口から我侭を吸い取る、野菜の絵のついたカップを使って、”完全”な王妃を保っていました。でもそれは、とてもつまらなくて疲れる生活でした。ある日、一年牢という恐ろしいブラックホールに落ちた王妃は、カップから抜け出した野菜達と、12か月の旅へ……。

アニメの原作となった話の一つ。「クレヨン王国の十二か月」で悪い癖を直してしまったシルバー王妃だったが、それは本当に人の幸せな生き方なのか。それぞれに欠点と素晴らしい個性を併せ持つ野菜達と旅をしながら、シルバー王妃は本来の自分の姿を取り戻していく。
アニメ版の主題でもある、自分らしくありのままに生きる事の素晴らしさを説いた福永令三氏の新境地を代表する傑作。

 

クレヨン王国王さまのへんな足

ゴールデン王の足が、腫上がってしまった。痛いので、王さまは王室に伝わる四季足人形に八つ当たり!すると、王様の足はカエルの足に変わり、自分の足は、庭園にある小便小僧の足に。はやく、足を取り戻さなくては……。王さまは、次女見習いのネコのプーニャと、小便小僧と旅に出た……。

アニメの後期、天使編の原作にあたるはずであるが、プーニャというキャラクター以外にはほとんど話が受け継がれる事は無かった。
福永令三氏の持病である関節痛を抱えた足と親しみを込めて付き合っていってやろうという意気込みで書かれたこの話は、悲痛な所は少しも無く、奇想天外で楽しい。

 

クレヨン王国シルバー王妃花の旅

シルバー王妃は、新しく制定された花札のモデル地を探す「花巡りの旅」に出発。案内人は、ニワトリのアラエッサとブタのストンストン。ところが、33代王妃に負けた「死に神」が、3人の珍道中の行く先になぜか出没。深まる謎とサスペンス。また、王国に危機が迫る!!

アニメの原作の一つ。アニメでは愛すべき悪役であった、死に神が登場する話である。
王国の危機というのはやや大袈裟で、この話の主眼はシルバー王妃たちが道中出会う人々やおかしな事件に置かれており、死に神と、詫び証文にまつわる謎解きはちょっとした味付けという印象だ。ちなみに、文字遊びによる謎解きというパターンは福永令三氏が非常に好んで使うパターンであり、他の話でも極めて良く見受けられる。

 

クレヨン王国とんでもない虹

すべての色は平等に美しい(クレヨン王国憲法第3条)。虹の七色だけが美しいわけじゃない。お日様に交渉して、第2の虹を作ってもらおう。……黒、白、こげ茶、灰色、黄土色、フジ色、ベージュ色の七色の候補者は、自分の色が見る者をしみじみと優しい気持ちにさせる事が出来る、とお日様を納得させるために、お話を始めました。

シリーズの新世代を担うニューキャラクター、フジ色大臣のルカ・サーバンスとベージュ大臣のサンド・モニカが初めて登場する話。クレヨン王国の黄金パターンの一つ、短編を集めた形式のお話である。

 

クレヨン王国12妖怪の結婚式

クレヨン王国の第2の虹「とんでもない虹」の色に選ばれた、美少女マラソンランナーのルカと、10歳の天才うらない少女モニカは、”お日様”に認められて宇宙へと旅立った。
2人の仕事は、”新月さま”の酒蔵に巣くう12の妖怪の正体を突き止めることだったが、妖怪たちは、何故か、人間との結婚を夢見て地球へ。ルカとモニカも、その後を追って……。

人間に寄生して、人間の世界を自分たちの子孫でいっぱいにしようと企てる妖怪たち。
あの手この手で人間の夫を獲得しようとする彼女らを、ルカとモニカが正体を暴きながら阻止していく。目的のためには全く手段を選ばない妖怪たちの中でただ一人、本当に愛せる人間とでなければ結婚できないと考え、そして本当に愛する人が自分に寄生されてどうなるのかと思い悩む異端者、深作実子の存在は、なんとなく「寄生獣」の田宮良子を思い出させる。シリーズ後期の作品の中ではひときわ輝く物語である。

 

クレヨン王国カメレオン別荘村

カメレオン総理の別荘用地を見つける旅を、シルバー王妃から命じられたのは、ニワトリのアラエッサとブタのストンストン、そしてタナムシ教授。ところが、キジのケンちゃんから、大泥棒の家計に伝わる秘密の口伝を聞いて、宝捜しの旅に変更?「月のたまご」でお馴染みの名脇役たちが演ずる、楽しいメルヘン。

ストンストンの恋人(?)ロボットのハルボちゃんが登場するお話。
楽しくてちょっとスリリングな、読み応えのある一冊…のはずなのだが、実はあまり記憶に残っていない。

 

クレヨン王国茶色の学校PART1、PART2

アトピー性皮膚炎に苦しむ6年生の玉絵は、若い叔父の圭さんと海辺の温泉へ治療湯治に行きました。そこは、オチバクライという土の神様と、ホルトダヌキという人間そっくりに化けるタヌキの伝説の里でした。ある日、犬に化けたホルトダヌキに導かれてクレヨン王国に入った玉絵は、オチバクライととんでもない約束をしてしまいます。

掛け値なしの名作。玉絵が厄介になっている、百歳おばと呼ばれる老婆がだんだんと彼女を好きになっていくその心理の描き方がなんとも素晴らしい。
アトピーに負けず元気に生きている玉絵が、茶色の学校を守るために大人たちを相手に奮闘する様がなんとも意地らしい。
百歳おばの玉絵に対する愛情、そして母と子の愛を見事に描ききったラストシーンは、これで泣かなきゃ嘘だろうという代物。
私が読んだ中ではシリーズ最高の出来と言ってよいだろう。

 

クレヨン王国タンポポ平17橋

王室の領地、タンポポ平の花守用水に新しく17の橋がかけられることになり、シルバー王妃は、その下見を兼ねて、お花見をする事にしました。キラップ女史やアラエッサたちを誘って、一人が一つずつ心が温かくなるような話を考えてくるように伝えたのですが……。

ピクニック気分のまったりとした一冊。まあ、特に事件が起こるわけでもなく、あまり語るところのない作品だ。

 

クレヨン王国三日月のルンルンPART1、PART2

平和なクレヨン王国に、最近めずらしいペットが次々に出現。田舎村に異変があることを突き止めた内閣は、超能力少女のモニカと、マラソンが得意なルカを派遣します。
カタカナばかりの謎の文、あやしいミミズク……。そんな時に現れた、子ウサギ。ルカたちは、ルンルンちゃんと名付けます……。

シリーズ伝統の、言葉遊び謎解き系のお話。
ジッタマポンポンなる装置に関わる、カタカナばかりで書かれた謎の文章を解き明かしながら物語が進んでいく。

 

クレヨン王国しっぽ売りの妖精

クレヨン王国のシルバー王妃は、散歩の途中で霧に包まれ、悪魔のSLに乗せられてしまいました。お供のニワトリのアラエッサと子ブタのストンストンも一緒。元気になる”しっぽ”をつけた12の野菜の精たちの話を聞いて、王妃たちは、悪魔の正体を突き止め、やっつけるために自分たちもしっぽをつけてもらおうとします……。

シルバー王妃がムササビのしっぽをもらって故郷の父親のもとに飛んでいく場面が印象深い。すっかり衰えて夜な夜な辺りを徘徊するようになってしまった父の、子供のような言動を邪険にせず、父の見ている幻影と本気で戦い、ついには撃退するシルバー王妃の父に対する深い愛情が感動的だ。
シルバー王妃達が悪魔を倒す事で父が精神の健康を取り戻すラストには、年老いた親に子はこう接すべしという作者のメッセージが込められているのだろうか。